言語処理学会の年次大会予稿集用 LaTeX 文書クラスです.W3C 日本語組版の要件 (JLREQ) に準拠することを目指した jlreq クラスをベースにしており,LaTeX による日本語組版で一般によく用いられる pLaTeX, upLaTeX, LuaLaTeX をサポートしています.
これは開発版リポジトリです.本リポジトリで配布されている文書クラスを利用して,言語処理学会提出用の原稿を作成することはできません.大会提出用原稿作成には必ず大会ウェブサイトで配布されている規定文書クラスを利用してください.
- TeX フォーマット:LaTeX2e
- TeX エンジン:pLaTeX, upLaTeX, LuaTeX
- 依存クラス:jlreq
推奨環境は TeX Live 2018 (frozen) 以降です.推奨環境であれば,追加でインストールする必要なものはありません.(それより古い環境では別途 jlreq, plautopatch を入手・インストールする必要があるかもしれません.いずれにせよ TeX Live 2017 より古いものには深刻な脆弱性が知られていますので,そのような環境をお使いの場合はアップデートを強く推奨します.)
本文書クラスには,仕上がりを確認するためのサンプル文書が付属しています.同文書は,そのままテンプレートとして用いられることも想定しています.
本文書クラスは,基本的に jlreq クラスの仕様をそのまま引き継いでいます.そのため,仕様の詳細は jlreq のマニュアルを参照してください.ただし,一般的なユーザ用コマンドや環境に関しては,pLaTeX の標準クラス (jclasses) や新ドキュメントクラス (jsclasses) とほぼ同様なので,基本的には何かを新しく学ぶ必要はないはずです.
LaTeX 標準の通り \documentclass
により行います.その際,使用するワークフロー(使用エンジン,DVI ウェア)を必ず明示的に指定してください.こうすることにより,各種パッケージを \usepackage
で読み込む際に個別にドライバオプションを指定する必要はなくなります.
pLaTeX + dvipdfmx を使用する場合
%#!platex
\documentclass[platex,dvipdfmx]{nlproceedings}
upLaTeX + dvipdfmx を使用する場合
%#!uplatex
\documentclass[uplatex,dvipdfmx]{nlproceedings}
LuaLaTeX を使用する場合
%#!lualatex
\documentclass[lualatex]{nlproceedings}
また,本文書クラスには独自オプションがあります.
english
: 各種ラベルの英語化など,最低限の英語対応を有効にします.英語で原稿作成する場合に使用してください.ただし,本文書クラスはそもそも日本語組版を前提に設計されており,このオプションを使用しても高品質の欧文組版が保証されるわけではありません.
上記以外のクラスオプションは,原則としてそのまま jlreq クラスに渡されます.ただし,基本版面設計に関わるようなオプション(例えば紙面サイズ,フォントサイズ,段組み数に関わるもの)は無効化されています.使わないでください.
予稿集全体を通して体裁を揃えるという趣旨に則り,本文の文字サイズを変更したり,\setlength
等により版面設計に関わる寸法値を大域的に変更したりすることはお控えください.また,図表中を含め,文字サイズが小さくなり過ぎないようにご留意ください.
なお,参考文献リストに関してはデフォルトで \small
サイズで出力されるようになっています.このフォントサイズを変更する場合は,プリアンブルで \bibfont
を再定義してください.
\renewcommand{\bibfont}{\normalsize}
旧来の日本語文書クラスでは,多書体化(多ウェイト化)を行う場合は otf
パッケージが広く用いられてきました.しかし,同パッケージを本文書クラスと併用すると,本クラスの意図する組版を実現できなくなります.特に,1行あたりの文字数が変化してしまうため,学会指定の要件を満たさなくなる可能性が高いです.そのため otf パッケージは原則使用しないでください.
本クラスで多書体化(多ウェイト化)を実現したい場合は otf パッケージの代わりに jlreq-deluxe パッケージを使用するようにしてください.
\usepackage{jlreq-deluxe}
\section
や \subsection
に与える「見出し文字列」が長く,紙面において複数行に渡るような場合,デフォルトの行取り設定では上下のマージンが小さくなってしまい見栄えが悪くなることがあります.そのような場合は,jlreq クラスの \ModifyHeading
コマンドを用いて一時的に行取り設定を変更してください.
\SaveHeading{section}{\restoresection}
\ModifyHeading{section}{
lines=3, % この数字を十分に大きくする
}
\section{長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い見出し}
\restoresection
なお対象がサブセクションの場合は上記コードの “section” をすべて “subsection” に読み替えてください.
本文書クラスに関するバグや不具合,あるいは改善提案等は GitHub 上の開発リポジトリまでご報告ください.
本文書クラスは MIT ライセンスの下で配布します.
Takuto ASAKURA